所蔵作品

下村観山

下村観山
  • " 中国唐の時代に、観音の化身である一人の美女が現れ、一夜の間に『観音経』をよく誦える者に嫁ぐと言い出した。そして次に『金剛般若経』、次に『法華教』と経を増やしていった。何人もの男が競い、最後まで残った馬郎の妻となったが、たちまちのうちに亡くなってしまったという故事に基づく。  その姿は観音ながら経を持った世俗の美女として描かれ、宋時代以降画題として流行し、本作のように日本でもしばしば描かれた。とくに観山は明治末期から大正時代、道釈画をよく描いており、これはその一つである。  婦人の化粧や衣服は吉祥天女像などによったものと思われ、観山の研究のほどがうかがわれる。額中央に「花鈿(かでん)」、口元には「よう鈿」と呼ばれる唐代の化粧が施され、頭には櫛と釵子が花を添える。また下半身につけた下裳には中国渡来の吉祥模様である、花の枝をくわえた優美な鳥の模様が観山独自のパターンで描かれ、鼻高の沓をはかせている。  「観山」の款と白文長方印「観山」がある。"

1873-1930

シモムラカンザン

Kanzan SHIMOMURA

J-200

馬郎婦観音像

メロウフカンノンゾウ

Meroufu Kannon


制作年:20C.
サイズ:125×60.5cm
技 法:絹本着色
材 質:
形 状:


カード番号(23)