阿部展也
阿部展也
- " 阿部展也は新潟県五泉町に生まれ、上京し独学で絵画を学んだ。1937年に瀧口修造の 詩と阿部の絵による詩画集「妖精の距離」を刊行し、1939年には北脇昇、福沢一郎らと 美術文化協会を結成した。戦後はサンパウロ・ビエンナーレにも出品。福井にて北美文化 協会の講習会講師も務めている。1959年から没年までローマに定住し、国際的に活 躍した。
阿部は生涯一貫して、イメージにおける具象性と抽象性の本質を厳しく問い続けた。キュビスム風の無機的抽象表現と、シュルレアリスム風の有機的形態の具象表現の相克から表現を展開させ、晩年は楕円やストライプを用いた幾何学的構成のなかに有機的な表情をはらむ作風へと到達する。
本作は、この晩年の作風を代表する作品で、1967年トレントで開かれた企画展のポスターにも、類似の作品が見られる。ストライプの屈折点を楕円の弧に合わせて調整し、画面を貫通する白いラインに「White Shadow」の文字を挿入する緻密な構成によって、幾何学的な鋭さは緩和され、どこかユーモラスで軽やかなイメージが生み出されている。「White Shadow(白い影)」なるシュールな詩句は、阿部の求めた絵画の在り方を象徴しているかのようである。 "
1913-1971
アベノブヤ
Nobuya ABE
O-97
R-47 1970-ROMA
R-47 1970-ROMA
制作年:1970
サイズ:114.5×146.5cm
技 法:アクリル
材 質:キャンバス
形 状: