小島亮仙
小島亮仙
- " 小島亮仙は室町時代の画人。白紙と号し、画史には周文に学ぶとされるが、越前朝倉氏の御用絵師である曽我派と様式的に近く、さらに作品に越前で活動した禅僧驢雪鷹覇(ろせつようは)の賛を持ち、かつ越前を意味することの多い「越渓」を名乗ったとされることから、越前を中心に活動した曽我派画人の一人と考えられる。また記録等からおよそ16世紀前半の活躍が想定される。
本作は小舟の浮かぶ湖水を挟んで前景に松林、後景に雪を頂く山々とその麓に建つ殿閣を描いた作品。対角線の偏角構図による図様構成は、周文様山水図に倣うとみられるが、それ以上に「赤蠅」印を捺す山水図に図様が近似することは極めて注目される。この赤蠅印の作者については15世紀後半に活躍し、蛇足(じゃそく)と号して大徳寺真珠庵の襖絵を描いたことで知られる曽我宗丈と同人といわれており、図様の継承を含めた両者の関係が興味をひく。潤いのある墨色と平明な空間表現には、近世へと向かう時代性が見て取れ、亮仙の作風と画歴を知ることのできる数少ない作例の一つとして、また未だ不明な点が多い曽我派の実体を探る上で貴重な存在といえる。 "
不詳(室町時代)-不詳
コジマリョウセン
Ryosen KOJIMA
J-138
制作年:16C.
サイズ:30.2×38.6cm
技 法:紙本墨画淡彩
材 質:
形 状: