尾形月耕
尾形月耕
- "本図は福井県出身の実業家・玉村勇助(1870~1946)が越前町米ノ区の学校に大正5(1916)年に寄贈したもの。元は軸装であったとされるが平成23(2011)年に額装へと仕立て直された。画題は記紀神話の「天の岩戸伝説」に取材し、岩戸の奥へ隠れた天照大御神を踊り騒いで外へ出そうとする様子を描いている。月耕が得意とした歴史人物像を故実に則り細かく描く一方で、人物像は『前賢故実』を基礎としつつも明治中期に進んだ考古学の知識をも取り込み、月耕らしい繊細な画面作りを試みている。中央で天鈿女命が踊り、賢木を捧げ持つ布刀玉命、祝詞をあげる天児屋命らが見守る中、今まさに岩戸が開こうとしている。天照大御神そのものを描くのではなく、岩の影から漏れ出た光によってその存在を示す。
月耕は岡倉覚三(天心)が創設した日本美術院に参加したメンバーの一人であり、福井ゆかりの偉人として天心を顕彰する上で重要な画家である。また故実を基にしつつ劇的な場面における躍動的な人物像を描く画風からは当時隆盛していた歴史人物画をうかがい知ることができる。"
1859-1920
オガタゲッコウ
Gekko OGATA
天の岩戸開き図
アマノイワトビラキズ
a picture opened amanoiwato cave
制作年:20C.
サイズ:96.7×136.2㎝
技 法:絹本着色
材 質:
形 状: