鈴木松年

鈴木松年

• 本図は松年の得意とした松を画面いっぱいに取り、木を見上げる羅漢を描くもの。「曾我蕭白の再来」と呼ばれた松年らしい豪快な筆墨で一気呵成に描き上げた松と独特の存在感を放つ羅漢が、見るものに強烈な印象を与える。松は昇り龍の様相を示しており、「松年」の他に「老松館」という号を用いた松年自らを表しているようである。印からは本図が日露戦争戦勝（明治38（1905）年）を記念して制作されたことが分かる。この頃の作品としてはボストン美術館蔵「戦勝萬歳図」などがあり、かつて幕末の志士らとも交わった松年の国事に対する思いが垣間見られる。

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