所蔵作品

  • "轆轤引の木地の全体に黒漆を塗り、底部を除いて朱漆を上塗りした丸形の盆。経年の摩滅により下塗りの黒漆が所々透けて見え、それが一つの景色となっている。この種の朱塗の器は時代や産地に関わらず、特産地であった紀州根来寺の名を冠して一般に「根来塗」と称され、特に茶人や数寄者によって賞玩されてきた。 本作品は過去書籍などに掲載されその存在を知られていたが、越前との関係について言及されることはなかった。心月寺については史料も少なく、また発掘調査も行われていないため不明な点が多い。ただ明応4年(1495)に奥州の白川政朝が上洛にあたり、馬50匹を含む総勢700人が心月寺などに宿泊する記録があることから、一乗谷時代の心月寺が大規模な寺院であったことが想像できる。その意味で本作の銘文にある「小方丈」の記述は、当寺の伽藍構成を伝える貴重な資料となる。"

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H-126

朱塗丸盆

シュヌリマルボン


制作年:16C.
サイズ:直径25.5×高2.0㎝
技 法:木製漆塗
材 質:
形 状: