所蔵作品

狩野元昭

狩野元昭
  • "『源氏物語』を6曲1双の屏風に描いた作品で、落款から作者は福井藩御用絵師で、四代光通、五代昌親に仕えた狩野元昭と知られる。右隻には第23帖「初音」の場面。正月の六条院で、明石の君から明石の姫君に届けられた手紙を読む光源氏と、小松引きの光景を描く。一方左隻には第14帖「澪標」の場面で、大願成就の御礼のために住吉詣でに訪れた源氏一行と、それを海上の船から眺める明石の君一行を描く。 一隻に1ないし2場面を描く大画面源氏絵屏風の作例は、江戸初期において狩野探幽や元昭の師である狩野安信のものが知られる。本作は画面構成や表現上、それら先行作例に倣うものであるが、初音と澪標を描いた作例は他に例がなく珍しい。 全体に画面の傷みや絵具の退色が認められるものの、描写は的確で、かつ建築物や衣装の文様にいたる精緻な描写に元昭の優れた技量を見ることができる。画題から、おそらく婚礼調度として制作された可能性が考えられる。 元昭の作品は大安禅寺を中心にかなりの数が残る。しかし、彩色によるやまと絵画題の作品はこれまで確認されておらず、その点で新出の本作は、元昭の画業上貴重な一点といえる。また不明な点が多い福井藩御用絵師の活動と系譜を探る上でも重要である。 "

1623年-1681年

カノウ モトアキ

Motoaki KANO

J-442

源氏物語 初音・澪標図屏風

ゲンジモノガタリ ハツネ・ミオツクシズビョウブ

Folding Screens of The Tale of Genji, Hatsune; Warbler's First Song & Miotsukushi; Channel Buoys


制作年:17th C.
サイズ:各153.2×349.2㎝
技 法:紙本着色
材 質:
形 状:屏風装 6曲1双