横山大観
横山大観
- "拝啓
扨大倉喜七郎殿
よりの御依頼ニ候へ〈とも〉
料理用として奉
書製造相願度
趣ニ候へ〈とも〉如何のもの
尓候や料理用と
申候ハ
奉書紙尓食塩ヲ
志み混せ候て乾き候時
是越極久細少の短冊
形尓切り膳部ニ無
味の吸物越出し客ハ
其の塩の含み多る乾
き多る奉書ヲはし尓て
は左みわんの内ニ入れて
己レの欲春る程ニ塩味
付き(訂正)多(訂正)る(訂正)時(訂正)久る為ニ
用ゆる者ニ候由ニて
此の奉書紙の重大
要件としてハ
紙ニ
〇粘気奈き事
〇熱し多る腕(ママ)の中ニ入れ
候ても紙本直ニ溶
解分散せ左゛る事
〇能久塩分越吸収
春る事
此の三要件ハ必須の
件ニ御坐候猶此の紙
の大サハ半紙大尓て
も
或ハ半紙半分大尓て
も
差支奈き趣ニ候
大倉喜七郎殿ハ
只今御父喜八郎男爵
の後越継ぎつゝある
当代稀ニ見る俊
敏の英才ニ御坐候右
御注文の紙御出来ニ
候へ者゛将来有益之
事御坐候はんと存候
御一考之上御返
事願上候(御返事ハ
丁寧ニ御願申上候
自然大倉様ニ御
覧ニ入れ候様可相
成と存候為念
申添候
草々
二十五日 横山生
岩野平三郎殿
※旧字体、合略仮名には〈 〉を付けました"
1868/9/18-1958/2/26
ヨコヤマタイカン
Taikan YOKOYAMA
C-38-734
横山大観書簡 大倉喜七郎より紹介の料理に利用する塩分入奉書の作成を依頼 181‐73
Letter from Taikan YOKOYAMA
制作年:〔1926年7月8日〕
サイズ:巻紙のみ19.5×154
技 法:紙本墨書
材 質:紙 墨
形 状:巻紙のみ1