横山大観

横山大観

• "拝啓 先日御話申上候各 宮家への紙者已尓御 送り出しニ相成候や 伺ゐ上候次尓又御 厄介奈る儀御依頼 致度候者豫而新聞 紙上尓て御承知被 遊候はん可゛早稲田 大学図書舘壁畫 愈々急尓執筆 本年中ニ完成 之事ニ相成候ニ付 　　　　　　 て者 右尓要春る紙本 御製造被下宜敷 候や右壁畫面者 直圣（ママ）二間半（十五尺） の圓窓尓有之候 二間半の一枚紙者 勿論御製造不 可能と存じ候ニ付 二枚位の物ニ致し 経師やの手尓依りて 一枚尓継き合せ度 存候可゛如何のもの尓 候や十五尺の直圣（ママ） ニ付二枚合せと致 候ても一枚巾八尺 カ八尺二寸位の巾の 四角のものニて宜敷 候　（貴下の方尓て漉き奈可 　　　ら継ぎ合せる方法有 　　　之候はゞ猶結構ニ候） （壱枚のもの出来候はゞ 猶更結構ニ有之 紙製造の上の名誉 ニ被存候） 以つれ尓しても右の寸 法の紙四、五枚御 制作願上度候 紙の種類者極彩 色ニ相成候事故 貴下尓御一任申上 候間適当の純 日本紙願上候 右費用者大学 の方尓て支出致 候事ニ有之候間 御遠慮充分 之御努力仰度 候目下土佐より 見本数種大学 之方ニ参り居候へ 共紙本之方ハ小 生ニ一任左れ候 故御困難と者承 知致し奈可ら敢 而右御依頼 申上度如此ニ御坐 候草々 　十一月九日 　　　　　横山生 岩野平三郎様 　　　　貴下 御返事待上候猶 御引受被下候へ者゛ 幾日頃御出来尓や 是又御一報願 上候 "

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