牧野信之助
牧野信之助
- "拝啓過日ハ御書状拝見忝く存候
段々と震災関係者多く殊ニ
取引関係上御心配と存候
小生なども血縁のものハ無之候
へ共知己非常ニ多く一度
見舞ニまゐり度計画致し居り候
日本美術院の方ハ陳列品ハ全部
無事大観氏宅も無事眞道君
も無事の通知有之候唯安田氏ハ
家屋全壊の赴(ママ)尓候斯の撩(ママ)
原なども可愛(ママ)相尓存じ候神社
の件尓ついてハもとの福井縣理事官
たりし足立氏(内務省)神社局の〈第〉一・二課
長
尓相成られ候為め殊ニ色々と好都合
尓候もこゝ暫くハそれどころ尓ハ候
まじく機を見て何と可致し度存候
いつも申上兼候へ共小屏風半双作
り度右尓要春る銀砂子紙二枚
〔三尺五寸ニ二尺 そのつもり尓て
少しそれより広きもの〕
及裏張氏〔コの前頂きたる状袋用紙ニ
ある卵黄紙ニ白粉、茶ヲ押し
たるものか 又ハ何可高尚地味な
るもの御見立ての上 同寸法ニて〕二枚
及び銀濳紙一枚以上来月
中旬頃迄尓願はれまじく候哉
少しよろしき繪が有之候為め正月
用屏風に致したきつもり尓御座候
猶々院展ハ十一月ニ大阪可京都
の内尓て開可るべくその頃御出で
相成候てハ如何大観先生その他の
御連中と御曾ひ相成候ハヾ宜敷と存候
右御願迄早々 九月廿六日
牧の
岩野様
※旧字体、合略仮名には〈 〉を付けました"
1884/4-Sep-39
マキノシンノスケ
Shinnosuke MAKINO
C-38-576
牧野信之助書簡 関東大震災の被害の知友の安否を知らせる・神社昇格について 154‐20
Letter from Shinnosuke MAKINO
制作年:1923年9月26日
サイズ:巻紙18.3×54 封筒21×8.5
技 法:紙本墨書
材 質:紙 墨
形 状:巻紙1 封筒1