所蔵作品

狩野芳崖

狩野芳崖
  • " 近代日本画黎明期の傑作「悲母観音」(重要文化財)で知られる狩野芳崖(1828-1888)は、人生の晩年期にお雇い外国人教師フェノロサに見出されるまでは赤貧洗うがごとしであった。  この作品は、フェノロサから月給を貰うようになり、やっと画業に専念できるようになった1884(明治17)年に描かれたものである。芳崖はこの絵に込めた自らの画論を、フェノロサに次のように説明している。 「画中の牛はこの絵の中心であり、万象を統一する存在となっている。遠景の水の流れ、細い小道、柳の枝、雲などすべての要素が牛に向かって集中し、山の形を牛の形状に似せるといった工夫をしている。」  伝統的な画法と東洋の精神を大切にする一方で、空間の広がりは西洋画法を取り入れている。このように様々な造形的試みを施した本作からは、西洋文明の流入と社会変革に翻弄されながらも、先駆者として近代の日本画を模索した芳崖の苦闘の跡を読み取ることができる。"

1828-1888

カノウホウガイ

Hogai KANO

J-26

柳下放牛図

リュウカホウギュウズ


制作年:1884
サイズ:58.7×112.8cm
技 法:紙本墨画淡彩
材 質:
形 状: