菅楯彦
菅楯彦
- "拝呈尊堂益々
御清福奉賀候
只今御返書御
骨折被下候趣拝
見難有存上候其
上御急ぎ致相済
不申候へ共急ニ製
作して頂き度
出来る時尓てよろ
しとの仰あり候
へ共御入用の時も
あまり遠可ら須゛
可成ハそれ尓御間
ニ合せ申上る方よろ
しからんと関係
の人々の話もあり
候故急き居る事
ニ候就てハあのま
ゝの寸法尓てハ御
順(ママ)備も中々尓候
故立三四枚つぎ
尓普通巾位尓て
御作り願度日
取二十日位ニてそ
れ迠右草稿を
致居候間何卆よろ
しく御頼申上候
右の日取尓て巾の
處ハとも角として
貴殿の思ハく通
りの物可゛出来て
申候也
申上候如く朝鮮
風の紙可゛兼てよ
り作つて頂き
度右の次〈第〉尓て
骨ハ折てもらひ
度日限ハ無し
心配致居候御
都合の程折
返し御返事被下
度御待申入候
実ハ左のやう尓
なり候故一枚紙
尓奈れバすかつと
して此上も無く
候へ共何れ裏打
を致候事とてふ
ちと中と別々
尓御作り被下て
もよろしく候
※寸法書あり
一寸古んな風尓相
成候前ニ申上候三
四枚立つぎ尓ても
中ふち別々尓て
も差支なき事ニ候
昨年者度々御
無理申上候て御
承知尓候此度も
矢張雁皮を入
ずドーサ気無
し尓願度然し
朝鮮風ハ如何
なる用法尓候や
存不申候間其
辺御任せ申上候
唯々紙可゛かた
く強く奈る事
のミ恐れ申候
今少しゆとり
あり候ヘバ御じ
やま可致候残念
ニ存候
早々不備
三月十二日
菅楯彦
岩野平三郎様
坐下
過日朝鮮紙を
かいて見ましたが
一寸工合よかりて候
※旧字体には〈 〉を付けました"
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スガ タテヒコ
Tatehiko SUGA
C-38-337
菅楯彦書簡 秩父宮家の特注の紙について 94‐17
Letter from Tatehiko SUGA (1878-1963)
制作年:1928年3月12日
サイズ:巻紙18.5×176.5 封筒21.3×8.5
技 法:紙本墨書
材 質:紙 墨
形 状:巻紙1 封筒1