菅楯彦
菅楯彦
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會場尓て見ました小杉君
の使ふてゐた紙も御願申
上候
かけ物用尓します故艸の
も少しちゐさい方可゛よろしきか
これも淡ドーサを入たのを
すこし御作り被下
皆ドーサ入と申上まし
たのハ礬水引尓奈つてハよ
よろしからず紙可゛古く枯
れた味を出す為尓ハ
何分よろしく御願申上候
近く御来阪の由何卆御
立寄り被下度願上候御
待ち申上候早々不備
六月二十三日 菅楯彦
岩野平三郎様
坐下
見本封入
○大奉書のうち誠尓少々
ドーサを極淡くして入て見
て頂き度
○麻紙も同様少々やつて
見て頂き度願上候
右尤カルキ洒し薬を使用
せぬ方ニして頂き度御願
申上候
薄いと墨色が淺薄ニ奈り
ますし厚いと表装尓奈り尓く
ゝ其辺御かげん被下度候
毎日欝陶敷事ニ存候
處益々御健勝尓て
何よりニ存上候過日ハ不
図久々尓て御目ニかゝり
一度御目ニかゝりいろ〳〵
御無理を願度兼て思
ひ居りまこと尓好期を
得申候御願申上候数々
何卆御記憶御製作
の程御願申上候
〈附一〉
○大奉書と申ますか
これを百枚
○この通りニて畳一帖の
大盤をも御作り願上度
色ハ凡て古の位の色
可゛まこと尓よろしく候
何尓でも用ひられま
して
〈附二〉
○古の麻紙
より一寸厚く
なつても薄く
ならぬやう
○色ハ白くなり
ても赤くなら
ぬやう少々
白い方可゛よろしく
塵は草の方ニ
して頂き度
※8行目皆ドーサ~11行目の上にくくり線あり"
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スガ タテヒコ
Tatehiko SUGA
C-38-342
菅楯彦書簡 画紙の注文 94‐3
Letter from Tatehiko SUGA (1878-1963)
制作年:1938年6月23日
サイズ:巻紙8.7×45 17.6×41.5 便箋4枚22.1×19 封筒20.7×8.5
技 法:
材 質:紙 インク
形 状:巻紙2 便箋4 封筒1