小林古径

小林古径

• "謹啓 今年は不順の天候に 御座候處御障り毛無く 御過しの御事と大慶 尓奉存上候陳者今度 は美事奈る紙本御 送り被下御厚意忝く 存上候使用を楽み尓 致居候御下命の御畫 帖は(乍)不及拝承仕候只 今秋の展覧会のもの とり可ゝり居候間それが終 り候ハヾ御目尓かけ可申 候暫く御待ち下され 度御願申上候又珍味御 恵与給り正尓頂戴仕 候それにこの前は兼 て御願申上置候鳥の 子御調製被下御礼 も申上ず堪多゛失礼 仕居候何とも御申訳 次第も御座奈く候何卒 御宥し被下度願上候 之れは二三試み候所肉の 厚さ其他誠に結構尓 て大変幸せ致候改め て御礼申上候さて藤井 様へ御約束のものは其後 心尓可ゝり居候も未だ果し 不申尓居候先は乍延 引御禮旁々右まで申 述べ候　　　敬具 　八月三日　小林古径 岩野平三郎様 "

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