小杉放庵
小杉放庵
- "おさむくなりました 皆様御きけんよく 殊に御老
体御元氣と存じます 私昨年来ボウコウの
障り診療を受けに出京致し居りま春
先般お送り下された紙 いかにも立派な紙面
何とか手に入れたものにしたく折々試みま春可゛ 紙質
の厚い為か私の手にのらず惜しく惜しく思ひます
が此間三巻お返し申上ました いろ〳〵わ可゛まゝ申
して恐々縮々の事な可゛ら あのやうな紙面にて モ
少しうすぃものお試み下され度 お言葉に甘
えおね可゛ひ申上ま春 色もモ少しうすいものにと
勝手な希望申上ま春 画室の棚さ可゛して旧来
のもの見付け まに合せ居ります可゛モハヤ少々心
細くなり居りま春
先日古書賣出しの目録に支那製(紙)に就ての小
冊ありましたので取り寄せよんで見ました 麻紙可゛
漢代に<既>にできて居たので(二千年近き)おもしろく存
じました 明治代の出版 これはそちらの御書架
にあつて然るべきものと存じ別便拝呈致しま春
だん〳〵雪となりおさむく 御自愛いのり上ま春
岩野御父子様 放庵
四五中に帰山致しま春
十一、卅
※旧字体には<>を付けました"
1881-1964
コスギホウアン
Hoan KOSUGI
C-38-282
小杉放庵書簡 麻紙の研究に従事 72‐102
Letter from Hoan KOSUGI (1881-1954)
制作年:1962年2月21日
サイズ:便箋2枚25×17.4 封筒21.5×8.4
技 法:
材 質:紙 インク
形 状:便箋2 封筒1