小杉放庵

小杉放庵

• "拝啓此間は早速紙をお送り下されあ り可゛たく存 候　然る處今日京都に於てぃよ〳〵 繪巻製 作せんと紙の包みを開きたるに　可 きかけの紙とスッ カリ違ひ居り大閉口　先の紙ハ（訂正）にやう〳〵馴 れたる處と云ひ　可きかけ半分ほど ありと云ひ 可た〳〵失望致候　先の紙はモハヤ御手許に之 れなく候哉（最近に呈上したる水辺 竹林中の漁夫 の水墨の紙）　若しお持ちに候はゞ二枚にても 三枚尓ても至急お送り下され度實は 四月廿 三（訂正）二日よりの春陽會出品画故心せき申候若 し皆無に候はゞ別尓おすき下され間 敷や 此の御返事は表記へ下され度紙は東京 宅の方へ願ひ候とりいそぎ申上候 草々 岩野さま　四月三日　小杉生 〈上欄外〉 此間美 術雑誌 アトリエに 紙につい て拙稿 をものし 御製紙 について も記し置 き候四月 号にあ る筈に候 ※文中に棒線有り"

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