岩野平三郎(初代)
岩野平三郎(初代)
- "拝啓 御願の件早速御承諾を
賜り御禮申上候 扨大意と申ても
別ニ特別の事ハ御座なく候
一 昭和七(訂正:八)年十月福井縣を中心ニ大演
習御挙行の事
一 産業御奨励のタメ寒村僻地の我
等風情の工場を雲の上人が御台臨ニなり
岡本村の老若男女山川草木迠が<喜>
び勇ミ申上たる事
一 両■宮殿下ニハ曽て紙の特産を御
記憶被遊 先年■殿下御慶事
の節 畏き辺りより御祝品の御
窻掛の下繪を大阪の菅楯彦画
伯可お勤申時ニ繪ハ■一枚紙ニして
紙ハ福井縣の岩野ニ命しよと御直
々ニ御下命ありし事 高松宮邸
よりも直接紙の御下命ありし事
一 昭和大禮の御時御屛風御用紙御
勤(ママ)製仰付られたる等
殿下御台臨の素因となしたるものかと
恐懼感激致居る事 祖先の遺業
の余徳ニて末世の村民可゛斯る光栄
ニ浴したる故ニハ一層奮励努力して
此の光栄ニ報し奉り祖先の名を恥
しめさる覚悟を以て此の記念を建て
反省の示(ママ)針となしたき事
右無学の小生可゛前後の識別もなく書き
申候 先生ニ於て御判讀被下右の如
く書きてもよきや否や等も先生御判断願上候
記念碑ハ郷土の記念碑ニて小生の建立春
る物ニ候へ共自家賞讃の言のなき
様ニ願上度候
清浦閣下より碑表記御惠与被下
候閣下より他よりの依頼ハ一切断る事
なれど 殿下記念碑ニ付老齢な可゛ら
依頼ニ應したりとの御親書を賜り恐縮致
居り候
右失禮を顧み須御願申上候也
岡井先生
昭和十一年五月十四日
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イワノ ヘイザブロウ
Heizaburo IWANO Ⅰ
C-38-151
岩野平三郎書簡 台臨記念碑建立につき碑文要旨メモを送る 61‐1b 61に同封
Letter from Heizaburo IWANOⅠ(1878-1960)
制作年:1936年5月14日
サイズ:便箋4枚23.5×19.5 封筒21.1×8.5
技 法:紙本墨書
材 質:紙 墨 インク
形 状:便箋4 封筒1