- "其後御病氣如何尓候や再ビ
手術を要せしとか蔭奈がら御案
じ申居り候
御見舞芳(ママ)々一度参上致し度
存じ奈がら其日〳〵尓追れ其
意を得ず、誠尓申譯無之候
お蔭尓て永年の手形漸く
尓解決致し候今月四、五、月分
の買入代金を支拂ひば廿余年
来の迷惑を一掃出来一安心に
候人間借金位ひつら以も之の
無く本郷も京橋も先づ〳〵
安心して営業を致し出来
る事に相成り候之一重に
貴殿の絶大奈る御引立の
賜尓て今更御礼の申(上け)ようも之
無く何を申せ国を出た時は
学校も尋常二年自分の名前
さ以書く事が出来ぬ有様今日迠
一日も心の安じた事奈く三百六十五日
一日の如く働く事以外何(物)尓も知ら
ぬ無学無毛兎にも角尓も人
様の御情け尓て今日に相成り候
之から少しは勉強して人様
に御恩がへしが出来る事(を)祈って
居ります退院奈されたら知
らして下さ以、ゆる〳〵話した
以事がある
色紙毎日の眺め尓送りました
〇〇〇〇
色紙かけは賣品で奈(ママ)小生の
手持ち故一本しか無以(の)で一本
丈けしか送れぬ
先は御見舞迠
平三郎様 大塚生
六月三日
東京で買以もの云ふて
下さ以
のりまだあるか知らして下さ以
※最後3行は欄外に記載"
大塚稔書簡 永年の負債皆無となり、芳情の程を謝す 32‐1
Letter from Minoru OTSUKA (1892-1951)
制作年:1941年6月3日
サイズ:便箋4枚26.1×18.8 封筒20.3×8.3
技 法:
材 質:紙 インク
形 状:便箋4 封筒1