所蔵作品

近藤浩一路

近藤浩一路
  • 「寒念仏」とは、僧俗を問わず、寒三十日間、暁天、又は夜中、修行に佛名を称えること(『大漢和辞典』巻三 株式会社大修館書店)。しかし「十二月寒念佛」と書が入った本作に描かれるのは、人ならぬ墨染の衣をまとい僧侶の小道具を持った面貌獰猛な赤鬼。これは大津絵の代表的画題の一つ、無慈悲なものが形だけの慈悲を装う偽善者の姿を描いた「鬼の寒念佛」がヒントになったものだろう。近藤浩一路が描く鬼は、双角に鋭い牙、ぎょろりとした目を持ちながらも、どことなく愛嬌がある。墨のニジミや軽妙な筆さばきなど和紙ならではの表現が、この絵の親しみやすさを増している。

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コンドウ コウイチロ

Koichiro KONDO

J-428

寒念佛

カンネブツ

Ogre's reciting Buddhist invocations in midwinter'


制作年:
サイズ:143.2×35.6
技 法:紙本墨画着彩 
材 質:
形 状:軸装