所蔵作品

加藤唐九郎

加藤唐九郎
  • " 加藤唐九郎(1898~1985)は愛知県瀬戸市の半陶半農の家に生まれた。幼い頃より家業の製陶に従事し、わずか16歳で自ら築窯、本格的な作陶生活に入った。土や釉(うわぐすり)に関する豊富な知識や穴窯、登窯(のぼりがま)での焼成の研究成果を基に、桃山期の黄瀬戸、志野、織部の研究と再現に努め大きな業績を上げた。昭和27年には、織部焼の技術で国の無形文化財有資格者(人間国宝)に認定された。昭和35年に、「永仁の壺」と呼ばれる事件で贋作問題を起こし、その資格を失うなどの波乱も味わっているが、今も20世紀における最も著名かつ重要な陶芸家の一人であるという評価に変わりはない。  自ら「苫屋」という銘をつけた本作は、唐九郎晩年の志野茶碗である。器胎にかかる釉の美しさもさることながら、姿形に無駄がなく独特の素朴さが格調の高さを引き立たせている。焼成のうまさもこの作品の魅力であるが、特に濃紫色に発色した釉調の奥深さ、複雑さは唐九郎独自のもので、数ある志野の中でも特に評価の高い作品である。"

1897-1985

カトウトウクロウ

Tokuro KATO

H-52

志野茶碗 銘 苫屋

シノチャワンメイトマヤ


制作年:1981~5頃
サイズ:高さ7.8cm×口径13.6cm×胴径14.5cm×高台径7.0cm
技 法:
材 質:陶器
形 状: