1912-2000
フルサワイワミ
Iwami FURUSAWA
O-408
トウジンボウ
古沢敏子 氏 寄贈
制作年:1951 昭和26
サイズ:80.3×65.2cm
技 法:油彩
材 質:キャンバス
形 状:
古沢岩美は、日本の初期シュルレアリスムを代表する画家の一人して重要な位置を占める。古沢は、1951(昭和26)年に福井の重要な美術運動である北美文化協会が主催した第3回北美夏期洋画講習会の講師として、阿部展也らとともに来福した。この時、東尋坊や福井大震災の被災跡などをスケッチし、帰京後それらをもとに晩年までに少なからぬ油画作品が制作された。本作は、このうちの一枚である。 画題である東尋坊は、切り立った奇岩で有名な福井を代表する海岸の景勝地で、その名の由来として以下のような物語が伝えられている。 <平安末期、平泉寺(現在の勝山市)の僧であった東尋坊は、怪力の持ち主で悪事を重ねていたが、美しい姫をめぐって真柄覚念という僧と恋敵となる。ある時、覚念は岩場の上で酒宴を催し、東尋坊が酔っぱらったすきに断崖絶壁から突き落とした。以後、東尋坊の命日とされる4月5日には、大波が岩壁に激しく打ち寄せるという。>(物語によって細部は異なる場合がある) 古沢は、この物語によって写実的なスケッチのイメージを膨らませ、風景と人体、男性と女性、生と死が交錯するような、幻想的な東尋坊を描き上げた。
カード番号(34)