ジャン=フランソワ・ミレー
ジャン=フランソワ・ミレー
- " ミレーは19世紀のフランスで活躍した画家で、初期には、主に生まれ地の近くのシェルブールで肖像画家として活動していた。30代に入ってからパリに移住し、しばらくしてから働く農民を主題とした作品を描くようになった。1849年にはパリからバルビゾンに移住。ここで《種まく人》《落穂拾い》《晩鐘》など働く農民をロマンティックに描いて有名な作品群が生まれた。ミレーはバルビゾンで生涯を終えることになるが、1870年の夏から15ヶ月間ほど普仏戦争を避けてシェルブールに疎開する。晩年の10年ほどは風景画も描くようになったミレーは、特にこの間多数の風景素描を制作している。しかし現場で直接油絵を描くことのなかったミレーにとって素描は特に重要な意味を持っていたといえる。
本作品は、このときに制作された素描のひとつであるが、グレヴィルはシェルブールの近郊に位置し、ミレーはこの地方の小村グリュシーで生まれている。やや沈鬱な雰囲気を持ったこの素描は素描家としてのミレーの力量をよく表しており、画面を斜めに横切る構図と画面いっぱいまで上がった高い水平線などが特徴的である。"
1814-1875
ミレー,ジャン=フランソワ
Jeam-Francois MILLET
D-36
グレヴィルの海岸の岩壁
グレヴィルノカイガンノガンペキ
制作年:1871
サイズ:22.2×30.5cm
技 法:鉛筆、木炭
材 質:紙
形 状: