所蔵作品

今村紫紅

今村紫紅
  • " 腕を振りかざし熱狂的に法華経の功徳を説く日蓮に対し、ある者は行商の手をとめて、ある者は馬上から振り返り、子どもたちは物珍しげに見上げながら、熱心に聞き入っている。  わずか35歳で人生を終えた天才画家、今村紫紅(1880~1916)の出立点は、本作「日蓮辻説法」のような歴史人物画にある。この作品は1903(明治36)年に第3回紅児会、および第14回絵画共進会に出品された。紫紅の新しさは歴史人物画に風俗や情景を描くだけでなく、登場人物の個性を浮き立たせたことで、それは本作を見るだけでも明らかである。  紫紅は17歳のときに歴史人物画を得意とする松本楓湖に入門し、自由放任主義の師匠のもとで、古画の模写や西洋画の研究などを深めていった。やがて、安田靫彦、速水御舟らなどと交流を深め、既成の日本画を一新させる人物へと育っていく。琳派への傾倒、かつてない自由な歴史主題の選択、強烈な色彩と画法、すべてにおいて先を行っていた紫紅は、後に遺された若い画家たちに日本画の豊かな可能性を見せてくれたのだった。 "

1880-1916

イマムラシコウ

Shiko IMAMURA

J-312

日蓮・辻説法

ニチレン・ツジセッポウ

Street Preaching of Nichiren


制作年:1903
サイズ:123×49.8cm
技 法:絹本著色
材 質:
形 状: