所蔵作品

堅山南風

堅山南風
  •  最初水墨画で描かれ、途中彩色画に描きなおされて昭和49年第59回院展に出品した、87歳での作品。身近な日常を題材にし、才走ることを抑えた地味さの故にいわゆる低迷期を余儀なくされたが、畢竟その庶民的な親しみが南風芸術の特色として開花したことは周知である。南風群青の言葉があるように、色彩画家として岩絵の具の美しい発色の冴えを誰よりも見せた作家でもあった。「春の雪」はまさにカラリストとしての本領を如何なく見せて出色の作となった。幼くして両親に死別した南風には両親への思慕は強く深く生涯薄らぐことはなかった。降り始めたぼたん雪の下で両親の帰りを一途に待ちわびる童女は他でもなく南風自身であり、87歳になっていよいよ澄む純真さが多くを魅了する作品となった。

1887-1980

カタヤマナンプウ

Nanpu KATAYAMA

J-308

春の雪

ハルノユキ


制作年:1974
サイズ:136.5×108cm
技 法:紙本著色
材 質:
形 状: