所蔵作品

ジャック・カロ

ジャック・カロ
  • " カロは17世紀に活躍したフランスの版画家、素描家で、後期マニエリズムの代表的画家。非常に巧みなエッチングの技術と誇張した様式を特徴とし、生涯に1,400点以上の版画と2,000点以上の素描を残したと言われる。43年の短い生涯の内、版画家としての活動時期は、イタリアのフィレンツェで活動した前半期と、フランスのナンシーで活動した後半期に大きく分けられる。前半期には、野外劇、宮廷の祝宴、コメディア・デラルテ(16~18世紀にかけてイタリアで発達した即興仮面喜劇)の人物等を主題にした作品が目立つが、後半期には、風俗描写、宗教的主題を中心に、風変わりなモチーフ=ビザールやグロテスク文様の代表的作家となった。悲惨な戦争の犠牲者を描いた作品も有名である。  本作は、フィレンツェ時代の特徴をよく表した代表作品のひとつで、コメディア・デラルテの《パンタロン》と呼ばれる二人の道化師が描かれている。右側の人物がもう一方に向かって、指を二本突き出す格好をしているが、これはイタリアで呪いに対する防御的身振りを表す。比較的濃淡が抑えられた遠景と中景の上に際立つ陰影の強い近景が印象的である。 "

1592-1635

カロ,ジャック

Jacques CALLOT

P-687

二人のパンタローネ

フタリノパンタローネ


制作年:1616頃
サイズ:9.25×14cm
技 法:エングレーヴィング
材 質:紙
形 状: