所蔵作品

北川民次

北川民次
  • " 北川民次は静岡県に生まれた。早稲田大学予科中退後渡米し、ニューヨークのアート・スチューデント・リーグを経てメキシコのサン・カルロス美術学校に学んだ。同地でオロスコ、リベラ、シケイロスら当時のメキシコ美術の第一人者たちと親交を結んで制作に励む一方、児童美術教育にも熱心に打ち込んだ。彼は初め後期印象派からの影響を受けて制作したが、やがて児童画にみられる特質にヒントを得て、自らが知っている対象を率直に捉えようとする新しいリアリズムの可能性を追求して独自の画風を確立した。昭和11年に帰国した後は、メキシコの風物を題材にした作品を発表して二科会会員となり、その後も、家族の姿、母子、働く人々等を深い愛情を持って繰り返し描くとともに、社会が抱える諸問題をこれらに託して表現するなど、時代に生きる画家としての視点を持ち続けた。  本作は、民次のメキシコ時代の初期、大正13(1924)年から翌年にかけてチェルブスコ旧僧院「芸術家の家」で過ごしていた頃の作品と思わる。民次特有の表現手法はまだ確立していないが、人物の各部の形態把握、胸から肩そして頭部へと組み立てられたような安定した構成など、民次が堅固な人物像を描こうとしていたことが理解できる。"

1894-1989

キタガワタミジ

Tamiji KITAGAWA

O-284

男の顔

オトコノカオ


制作年:1924頃
サイズ:51×41cm
技 法:油彩
材 質:キャンバス
形 状: