1873-1930
シモムラカンザン
Kanzan SHIMOMURA
J-243
ジュセイ
Jusei
制作年:1915頃
サイズ:168×370.2cm
技 法:絹本着色
材 質:
形 状:六曲一双屏風
下村観山(1873-1930)は、和歌山で篆刻を業とする父親の三男として生まれました。家は代々紀州徳川家に能楽の鼓をもって仕えていました。狩野芳崖、橋本雅邦という明治の巨匠二人から狩野派の真髄を学んだのち、東京美術学校で岡倉天心の薫陶を受けます。古典に範をとり、そこに面白みと新しさを加えた穏健な作風により、岡倉天心から理想の体現者としての格別の信頼が寄せられました。天心が野に下った時は行動を共にし、横山大観、菱田春草らと共に日本美術院の創設に参加しました。本作の題である「寿星(じゅせい)」とは南天に輝く一等星で、泰平や長寿の祈願の対象として、中国で古くから信仰されてきた星です。寿老人(じゅろうじん)はその化身とされ、玄鹿(げんろく)などとともに吉祥の象徴として描かれてきました。観山はこの古典的な画題を、西洋的な空間と人物表現を織り交ぜながら格調高く描いています。