鈴木千久馬

鈴木千久馬

• "　福井市生まれの洋画家。明治41年には一家で上京し、東京美術学校で藤島武二に学んだ。帝展、文展、日展と官展系の作家として活躍。昭和16年には創元会の結成に参加し、同会の代表的作家として知られる。初期にはフランスのフォーヴィズムの強い影響のもとで、黒を基調とした重量感あふれる作品を制作したが、後半期には白を基調とした独自の様式を確立した。昭和３２年には、前年の第12回日展に出品した《てっせん》で日本芸術院賞を受賞し、昭和４７年には、本県出身の画家で初めて日本芸術院会員になった。また帝国美術学校（現武蔵野美術大学)で西洋画科教授として後進の育成にもあたった。平成元年には当館で回顧展が開催された。 　本作は、昭和２年の第８回帝展で特選となった初期の代表作のひとつで、様々な姿態の４人の裸婦の圧倒的な量感からは、彼が影響を受けたフォーヴィズムの画家アンドレ･ドランの古典主義時代の作品を様式を咀嚼し、自分のものとした画家の研究の成果を見ることができる。"

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