所蔵作品

島田墨仙

島田墨仙
  • " 本作は昭和5(1930)年にイタリアのローマで大規模に開催された日本美術展覧会出品作である。この美術展では横山大観や、下村観山、竹内栖鳳、前田青邨など院展、官展の枠組みを超えた日本画壇を代表する作家たちの作品が一堂に会し、近代日本画の傑作とも言うべき作品の数々が出品された。  雌鹿とともに見事な角を戴く雄鹿が、薄々と明るい秋の夕暮れに休息をとっている。秋に雄鹿の首回りを飾るタテガミが見られないことから、まだ暑さの残る初秋の頃であろうか。日一日と大気が澄み渡り、一年のうちで月光が最も清らかで美しいときである。夕暮れの三日月を見上げる雄鹿からはしみじみとした季節の情感が漂ってくる。  歴史人物画を得意とした墨仙にしては珍しい動物画であるが、海外の鑑賞者の眼を意識した画題の選択と考えられる。箱書には「昭和4年孟秋」とあり、展覧会の前年に制作されたものだと分かる。"

1867/11/04(太陽暦)-1943/7/9

シマダ ボクセン

Bokusen SHIMADA

J-241

秋夕

シュウユウ


制作年:1929
サイズ:121.9×55.9cm
技 法:絹本墨画淡彩
材 質:
形 状:


カード番号(26)