所蔵作品

狩野勝玉

狩野勝玉
  •  本図右隻には春景、夏景が描かれ、前景には桜や梅、松や青柳と共に、農耕や漁業に従事する家族の様子を表す。中景には広く帆船の行き交う海を描き、遠景に対岸を望む。また、左隻は秋景、冬景であり、前景に紅葉した水辺の村落が描かれ、砧を打つ女性、稲わらを運ぶ人々などで農村の秋の風情が表わされる。中景では四阿と共に黄金色に輝く田畑で実りの季節を示す。そして、遠景に雪を抱く山が描かれ、画面内に余すことなく四季の景物が散りばめられている。画面全体を通して濃彩を用い、金砂子を蒔く、狩野派の中でもやまと絵の要素をふんだんに取り入れた形式を用い、華やかで伝統的な色面を構成する。前景には典型的図様により豊作や子孫繁栄を示す一方で、右隻中景から遠景にかけての真景図を彷彿とさせる鳥瞰視による風景描写や写実的に描かれた帆船からは、伝統的山水画題に幕末から明治にかけて到来した新しい知識を取り入れるという試みが見られる。

1840-1891

かのうしょうぎょく

Shogyoku KANO

J-471

四季山水図屏風

シキサンスイズビョウブ

Four seasons landscape screen


制作年:19C.
サイズ:90.7×386.4cm
技 法:紙本金地着色
材 質:
形 状:八曲一双屏風