所蔵作品

芸愛

芸愛
  • " 「芸愛」印を捺す画人について江戸時代の画史類では、室町幕府の御用絵師小栗宗湛の子宗栗のこととし、また若狭に住んで晩年は京都大徳寺に寓居したと伝える。しかし確実な宗栗の作品は未だなく、両者を同一人物とする資料も確認されていない。一方、芸愛の作品は画題的には花鳥・山水・人物、技法的には水墨から着色画までと幅広く、作風も柔軟な筆致による穏やかなものと、鋭利な線描による厳格で動きのあるものとの二種に大別できる。そしてその活動期も15世紀後半とされてきたこれまでの見解から、近年新たに16世紀前半から半ば頃とする説が出された。  本作は松の枝にとまる一羽の鷹を描いた図で、水墨を主体に松葉や羽根の一部に淡彩を施す。長い爪でがっしりと枝を掴み、鋭い視線で前方を見据えた鷹は、墨色に微妙な階調をもたせて丁寧に描かれる。一方、粗い筆致による折れ曲った松の描写は画に動きを与えており、それが鷹の表現と絶妙な対比をみせている。室町時代の画鷹の作例は少なからずあるが、その中でも本図の生彩に富んだ描写は見事といえ、花鳥図を得意とした芸愛の筆技の確かさをうかがわせる。"

不詳(室町時代)-不詳(室町時代)

ゲイアイ

GEIAI

J-221

鷹図

タカズ


制作年:16世紀
サイズ:76.5×32cm
技 法:絹本墨画
材 質:
形 状:


カード番号(2)